解決事例

事例42 事故の防犯カメラ映像を用いた交渉で、当方に有利な過失割合で示談が成立した事例

ご相談者様の状況

女性

  • 被害者:Aさん
  • 相手方:Bさん 相手方保険会社C社

事案

Aさんは自家用車を運転し、スーパーの駐車場で出口に向かう車列に並んでいたところ、前にいたBさんの車がバックで駐車区画に駐車しようとしたため、自車を停めて様子を見ていました。ところがBさんは、後ろにいたAさんの車の位置をよく見ていなかったのか、そのまま車をバックさせて、Aさんの車に接触してしまいました。

Aさんは事故の発生に驚きつつ、事故の原因は明らかに、バックの際に後方をよく確認しなかったBさん側に責任があるだろうと考えていました。

しかし後日、相手方保険会社であるC社は、なんとAさん側に70%もの過失割合があるとの提示を行ってきました。

AさんはC社からの提示に到底納得できず、弊所へ相談にいらっしゃいました。

状況図

解決までの道のり

解決結果

過失割合70%→20%

Aさんから依頼を受けた担当弁護士は、Aさんの言い分を確認するとともに、駐車場に設置されていて、事故状況が映っていた防犯カメラ映像を確認しました。

映像をみると、たしかにAさんの言い分のとおり、Aさん車は完全に停止してBさん車の動向を様子見していたように見受けられ、停止していたAさん車側に過失が認められるかは疑わしい状況でした。

C社がAさん側に多くの過失割合があることを主張してきた根拠は、「駐車場にSおいては、通路走行車より、駐車区画へ駐車しようとする側が優先される」という理由でしたが、防犯カメラ映像を踏まえ、本件では車を完全停止していたAさん側に過失はない旨を主張し、粘り強く交渉を続けたところ、最終的にAさん側の過失を20%とする内容で示談が成立しました。

担当弁護士の所感

一般論として、バックで後進した車と、前進している車が衝突した場合、バック側の車の過失が大きいように感じられます。

一方駐車場においては、通路走行車より、駐車区画へ駐車しようとする側が優先されるという考え方があり、実務上、駐車場における同類型の基本過失割合は、通路前進車:駐車後進車で【8:2】とされ、本件でC社も、同類型に基づいた主張を行ったものと考えられます。

判例タイムズ【336】の図および基本過失割合

もっとも上記判例タイムズの類型は、双方が移動して衝突した場面が想定されているため、通路車が完全に停止していたと思われる本件では、裁判では異なる過失割合の認定が下される可能性が十分にありました。

本記事で紹介した判例タイムズは、過去の膨大な裁判例を集計して作成されており、過失割合の検討をする上で非常に重要な資料ですが、それありきの交渉ではなく、事故状況に応じて個別具体的な主張を行うことが必要なケースもあります。

交通事故の過失割合でお悩みの方は、是非一度、交通事故に強い弁護士へご相談ください。

   
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