ご相談者様の状況

- 相談者:30代女性
- 事故態様:停車中の追突事故
- 主な相談:治療・示談
相談内容
Aさんは、仕事からの帰宅途中、自動車を運転していました。信号待ちの渋滞により車を停車させたところ、後方から走行してきた軽トラックに追突されました。
Aさんの車両は、後部のバックドアを交換する見込みとなり、修理に出されました。相手方保険会社が修理費と代車費用の対応を進めており、過失割合はAさん0、相手方10とされていました。Aさんの車両にはドライブレコーダーが搭載されていましたが、相談時点では修理中のため、映像はまだ確認できていませんでした。
Aさんは事故当日に整形外科を受診し、頸椎捻挫と診断されました。首の違和感や、肩から腰にかけての痛みがあり、治療を続けていました。仕事は事故翌日は休み、その後は勤務先に重い物を持つ作業を控えるなどの配慮を受けていました。また、家事や子どもの送迎、習い事の予定にも支障が生じていました。
Aさんは、相手方と大きく揉めていたわけではありませんでしたが、今後の治療や保険会社とのやり取り、休業損害、慰謝料などについて、適切な補償を受けるための流れを確認したいと考え、弁護士へ相談されました。
※本記事に記載している「相談時にお伝えした内容」は、ご相談時に確認できた事情や資料を前提とするものであり、当事務所が本記事をご覧の方の個別の事案について法的な見解を示すものではありません。事情によって判断や結論が異なる場合がありますので、具体的な事案については弁護士へご相談ください。
相談時にお伝えした内容
1 停車中の追突事故では、過失割合が0:10となることが多いこと
本件では、Aさんが信号待ちで停車していたところ、後方から相手方車両に追突されていました。相談時に確認できた事故状況を前提とすれば、Aさんに事故を避けることは困難であり、Aさん0、相手方10の過失割合となることを説明しました。
もっとも、事故状況を後から確認できるよう、ドライブレコーダーの映像や車両の損傷写真、修理見積書などは保管しておくことをご案内しました。
2 症状が続く間は、医師と相談しながら治療を継続すること
Aさんには、首の違和感や肩から腰にかけての痛みが残っていました。そのため、痛む部位や程度、仕事・家事・育児への影響を診察時に具体的に伝え、医師と相談しながら治療を続けるよう説明しました。
また、帰省などにより一時的に通院間隔が空く可能性がある場合には、事前に医師へ相談し、帰省先での受診やリハビリの可否も含めて治療方法を確認することをご案内しました。
3 仕事を休んだ日や勤務上の配慮を記録しておくこと
事故によるけがのために仕事を休み、収入が減少した場合には、休業損害を請求できる可能性があります。本件では、Aさんは事故翌日に仕事を休み、その後も重い物を持つ作業を控えるなど、勤務先の配慮を受けていました。
休業損害を検討する際には、休業損害証明書、給与明細、有給休暇の使用状況などが資料となります。そのため、欠勤や休暇の取得だけでなく、事故による業務上の制限についても記録しておくようお伝えしました。
4 家事や育児への支障についても記録しておくこと
Aさんは、仕事をしながら家事を主に担い、2人の子どもの送迎なども行っていました。事故後は、通院のために子どもの迎えや習い事の予定を調整するなど、家事・育児にも影響が生じていました。
家事への支障に関する損害は、家族構成、就労状況、事故前の家事分担、けがの内容や程度、支障が生じた期間などを踏まえて検討されます。本件では、できなかった家事や家族に代わってもらった内容を具体的に記録しておくよう説明しました。
5 車両の修理費と代車費用の対応内容を確認すること
Aさんの車両は修理に出され、修理期間中は代車を利用していました。相手方保険会社が対応している場合でも、修理見積書、修理期間、代車の利用期間と費用、保険会社とのやり取りが分かる資料を保管しておくことをご案内しました。
6 慰謝料は治療期間や通院状況などを踏まえて検討されること
通院慰謝料は、傷病の内容、治療期間、実際の通院日数、治療経過などを踏まえて検討されます。事故直後の段階では最終的な金額を確定できないため、まずは必要な治療を受け、治療終了後に相手方保険会社から提示される示談案の内容と計算根拠を確認することを説明しました。
また、治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料などに漏れがないかを確認し、示談に応じる前に提示内容を精査することをご案内しました。
7 症状が残った場合には、後遺障害申請を検討すること
治療を続けても症状が残り、医師から症状固定と判断された場合には、後遺障害等級認定の申請を検討することがあります。ただし、症状が残っているだけで必ず認定されるものではなく、事故態様、治療経過、検査所見、症状の一貫性などを踏まえて判断されます。
本件は相談時点で治療中であったため、まずは症状と治療経過を確認し、症状が残った場合に申請の要否を検討する方針をお伝えしました。
ご相談後の対応
Aさんは、その後も首や肩周りの痛み、腰痛のため治療を継続しました。再相談時には、弁護士から委任契約の内容を説明し、委任状を作成しました。そのうえで、相手方保険会社に受任通知を送付し、今後の人身損害に関する対応を進めることとなりました。
担当弁護士の所感
停車中に後方から追突された事故では、被害者側の過失がないと判断されることが一般的です。ただし、事故状況や車両の損傷内容を後から確認できるよう、ドライブレコーダーの映像、事故直後の写真、修理見積書などを早めに確保しておくことが大切です。
頸椎捻挫などは、事故直後よりも後から首、肩、腰などの痛みが強くなることがあります。症状がある場合には早めに医療機関を受診し、痛む部位や仕事・家事への影響を具体的に医師へ伝え、治療経過を記録しておくことが重要です。 また、治療中の段階では、慰謝料を含む最終的な賠償額は確定しません。保険会社から示談案が届いた際には、治療費、交通費、休業損害、慰謝料などが適切に計上されているかを確認したうえで対応することが必要です。










