土地区画整理事業と遺言書と登記

土地区画整理事業と遺言書と登記

弁護士 渡邊佳帆

1.岡崎市の土地区画整理事業

岡崎市においては、現在、岡崎駅東、岡崎駅針崎若松、岡崎駅南、岡崎本宿駅西にて土地区画整理事業が施工中です(そんなん知っとるわ、という地元の方も多いかと思います。すいません。)。
弊所岡崎事務所も区画整理事業の結果、来年から現在の住所「羽根町字北ノ郷」が変わることになってしまいました。

土地区画整理事業とは、道路、公園等の公共施設を整備・改善し、土地の区画を整える事業です。道路が曲がりくねっていて、公共施設もなく、非整形地(形が整っていない土地)ばかりが並んでいるような地域について、まっすぐ広い道路を敷き、宅地を整形地(長方形や正方形など、形が整っている土地)にし、余ったスペースに公園などの公共施設を作れば、みんなが住みやすい地域にすることができます。それにより、その地域の宅地を利用する人も増え、地域の活性化につながります。
しかし、そのためには、現にその非整形地に住んでいる人々の中には、一度その土地を出て行き、新しく作った整形地に住み替えなければならなくなる人もいます。
そのため、土地区画整理事業を計画する段階で、もともとの土地を出て行ってもらう人に、次にどの土地を割り当てるか決めておきます。この割り当てる予定の土地を「仮換地」と言います。

2.仮換地の指定がされている宅地を遺言書に記載する際の注意点

仮換地の指定がされている宅地を遺言書に記載する際には注意をする必要があります。誰かに土地を相続させる、あるいは遺贈するのであれば、将来、換地処分が行われた際には、換地処分後の新しい土地を引き継がせることを想定しているはずです。しかし、換地処分前の土地の情報しか遺言書に書かないと、換地処分後の新しい土地を引き継がせる手続きが円滑に進まない可能性があります。
土地区画整理事業には数十年単位の時間がかかることも多いです。私も、岡崎駅東地区の土地区画整理事業施行地区内の土地をお持ちの依頼者様に、今から30年ほど前に岡崎市から送られてきた仮換地指定通知書を見せてもらったことがあります。そのため、遺言書を書いた方が亡くなった後で換地処分がされることも想定しておく必要があります。

土地区画整理事業の対象となっていない土地であれば、土地の場合は、登記の情報から、

所在  岡崎市●●町字●●
地番  ●番●
地目  宅地
地積  ●●.●●㎡
と書けば土地の特定ができます。

一方で、仮換地の指定がされている宅地であれば、

(従前の宅地)
町・字名  岡崎市●●町字●●
地番  ●番●
地目  宅地
登記簿地積 ●●.●●㎡
(仮換地)岡崎市土地計画事業岡崎駅東土地区画整理
街区番号  ●●
画地番号  ●●
地積  ●●.●●㎡
という表記になります(公証役場によっては、表現が変わる可能性もあります。)。

仮換地の表記には、仮換地指定通知書に記載されている街区番号、画地番号、地積を転記します。登記簿に書かれている地積と、仮換地の地積は異なることがあるので、注意が必要です。

3.終わりに

遺言書は相続人の紛争を防ぐために有効です。ただ、紛争を防ぐことができても、その遺言書を法務局に持って行ったとき、スムーズに登記ができるかについてはまた別の問題です。

弊所は、弁護士と司法書士が連携し、遺言書を書かれた方が亡くなった後の手続きも踏まえた遺言書の表現をご提案しています。

   
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