相談事例

事例7 夫の不貞を示すLINEや手紙を発見し、不貞相手への慰謝料請求を検討したケース

ご相談者様の状況

女性アバター

  • 相談者:50代女性
  • 婚姻期間:約20年
  • 相談内容:不貞、慰謝料請求

相談内容

Aさんは、夫と約20年間婚姻し、相談時点では同居していました。夫婦には成人した子が1人おり、子はすでに独立して生活していました。夫は近く自宅を出て、一人暮らしを始める予定でした。

Aさんは、夫が遊園地へ夜間に入場した際の2人分のレシートや、2人分の食事代のレシートを見つけたことをきっかけに、夫の行動を注意して確認するようになりました。

その後、不貞相手から夫へ宛てた手紙を発見し、夫と不貞相手が一泊旅行をしていたことも分かりました。

さらに、夫が不貞相手とほぼ毎日連絡を取り、定期的に会っていたことがうかがわれました。Aさんが夫を問い詰めたところ、夫は不貞関係を認め、一度は別れたと説明しましたが、その後も関係が続いている可能性がありました。

Aさんは離婚する意向でしたが、相談時点では夫と離婚について具体的な話合いをしていませんでした。まずは不貞相手に慰謝料を請求したいと考え、請求の進め方、請求額の妥当性、夫への請求や離婚手続とどのような順序で進めるべきかについて相談するため、弊所へ来所されました。

※本記事に記載している「相談時にお伝えした内容」は、ご相談時に確認できた事情や資料を前提とするものであり、当事務所が本記事をご覧の方の個別の事案について法的な見解を示すものではありません。事情によって判断や結論が異なる場合がありますので、具体的な事案については弁護士へご相談ください。

相談時にお伝えした内容

1 不貞行為を裏付ける証拠を整理する必要があること

不貞慰謝料を請求するためには、夫と不貞相手との間に不貞行為があったことを証拠によって立証する必要があります。

本件では、不貞相手から夫への手紙、旅行や食事に関するレシートなどがあり、夫もAさんに対して不貞関係を認めていました。ただし、それぞれの資料から具体的にどのような事実を読み取れるかによって、立証の見通しは異なります。そのため、入手済みの資料を時系列に沿って整理し、元のデータや原本も保存しておくよう説明しました。

2 不貞相手を特定し、請求書面を送るための住所調査が必要となること

慰謝料を請求するには、請求の相手となる人物を特定し、書面を送付できる住所を確認する必要があります。Aさんは、不貞相手の氏名、勤務先、携帯電話番号などの情報を把握していましたが、住所は確定していませんでした。

そこで、把握している情報を基に、弁護士会照会などの方法によって住所を調査したうえで、慰謝料請求の通知を送ることが考えられると説明しました。調査できるかどうかや必要となる手続・費用は、保有している情報によって異なることもお伝えしました。

3 請求額と、交渉・訴訟になった場合の見通し

慰謝料額は一律に決まるものではなく、不貞関係の期間や態様、夫婦の婚姻期間、不貞によって婚姻関係が受けた影響、離婚に至るかどうかなど、個別の事情を踏まえて判断される旨を説明しました。

4 夫と不貞相手の双方に対する請求の関係

不貞行為については、夫と不貞相手の双方が責任を負う場合がありますが、同一の損害について二重に慰謝料を受け取ることはできません。そのため、不貞相手に先に請求するか、夫への請求や離婚の話合いと並行して進めるかは、証拠、相手方の対応、離婚の意向などを踏まえて検討する必要があります。

Aさんには、不貞慰謝料の請求と離婚の話が並行して進むことも多いため、まずどの相手に、どのような内容で請求するかを整理したうえで進めることを説明しました。

5 離婚に備え、婚姻費用と財産分与の資料も準備しておくこと

Aさんは離婚する意向でしたが、夫の収入や夫婦の財産状況を十分に把握していませんでした。夫が別居した後の生活費については、夫婦双方の収入などに応じて婚姻費用を請求できる場合があることを説明しました。

また、離婚時には財産分与が問題となるため、預貯金、保険、不動産、住宅ローン、退職金などの資料を確認し、入手可能な資料を早めに確保しておくよう案内しました。

担当弁護士の所感

不貞慰謝料を請求する場合、配偶者や不貞相手を問い詰める前に、手元にある証拠を保存し、時系列に沿って整理しておくことが重要です。写真などのデータは削除・変更される可能性があるため、画面だけでなく日時や相手方が分かる形で保存し、手紙やレシートの原本も保管しておくとよいでしょう。

また、請求額は、交際期間だけでなく、婚姻関係への影響や離婚の有無などによっても変わります。希望する金額だけで判断せず、証拠の内容、相手方の反応、訴訟となった場合の見通しや費用も踏まえて、進め方を検討する必要があります。

離婚も考えている場合には、慰謝料請求だけでなく、別居後の生活費や財産分与に備えた資料の確保も必要です。不貞の発覚直後は気持ちの整理が難しいこともありますが、今後の生活を見据え、慰謝料請求と離婚手続の全体像を早めに相談することが大切です。

タグ: , , , ,
   
↑ページトップへ
PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com