ご相談者様の状況

- 相談者:20代男性
- 職業:会社員
- 相手方:-
- 婚姻期間:約6年
- 子ども:3名
相談内容
Aさんは、妻と3人の子どもと生活していましたが、妻は、子どもたちを連れて実家へ戻りました。
その後、Aさんのもとに裁判所から調停の申立書の写しが届き、今後、離婚を求められた場合にどのような流れになるのかを知りたいとして、弊所へ相談に来られました。
また、妻から婚姻費用を請求される可能性がある一方で、Aさんは住宅ローンや自動車ローンを負担しており、今後の生活や支払いに対する不安も抱えていました。
さらに、子どもたちとは別居後も連絡を取ることがあったため、今後も子どもたちに会うことができるのかについても相談されました。
※本記事に掲載している「相談時にお伝えした内容」は、ご相談時に確認できた事情や資料を前提とするものであり、当事務所が本記事をご覧の方の個別の事案について法的な見解を示すものではありません。事情によって判断や結論が異なる場合がありますので、具体的な事案については弁護士へご相談ください。
相談時にお伝えした内容
1 離婚を希望していない場合の今後の流れについて
夫婦の一方が離婚を希望していても、他方が同意しなければ、直ちに離婚が成立するわけではありません。
話合いで合意できない場合には、家庭裁判所の調停を経て、それでも合意できなければ、離婚訴訟へ進むことがあります。訴訟で離婚が認められるためには、法律上の離婚原因が必要となります。
もっとも、別居が長期間継続し、夫婦としての共同生活を回復する見込みがないと判断された場合には、婚姻関係が破綻しているとして離婚が認められる可能性があります。
そのため、Aさんには、離婚に同意しないという選択肢はあるものの、離婚を長期間にわたって完全に防げるとは限らないことを説明しました。
2 婚姻費用について
夫婦が別居している場合でも、離婚が成立するまでは、収入の多い側が、配偶者や子どもの生活費に当たる婚姻費用を負担することがあります。
婚姻費用の金額は、夫婦双方の収入、子どもの人数や年齢などを基に検討します。
Aさんは、別居後、妻へ毎月一定額を支払っていましたが、妻側からは、それを上回る婚姻費用を求められる可能性がありました。
一方、Aさんは、住宅ローンや妻が使用している自動車のローン・保険料も支払っていました。これらの支払いが婚姻費用との関係でどのように扱われるかについては、支払内容や夫婦間の合意を確認したうえで整理する必要があると説明しました。
また、妻が就労している場合には、その収入も婚姻費用を検討する際の資料となるため、双方の収入資料を確認する必要があることをお伝えしました。
3 子どもとの面会について
Aさんは、子どもたちに会いたいと希望していました。
Aさんには、妻へ直接連絡するのではなく、相手方代理人との協議や家庭裁判所の面会交流調停などを通じて、子どもの安全や生活状況に配慮した方法を検討することになると説明しました。
4 財産分与について
夫婦には、住宅、預貯金、保険の解約返戻金、退職金や企業年金、自動車などの財産がありました。
自宅については、土地と建物の名義が異なり、住宅ローンも多く残っていました。また、住宅購入時に妻の父から資金提供を受けており、その資金の返還も求められていました。
そのため、財産分与を検討するには、不動産の査定額、住宅ローン残高、購入時の資金提供の趣旨、名義関係などを確認する必要があると説明しました。
自動車についてもローンが残っていたため、車検証やローン契約書を確認し、所有者、使用者、残債額などを整理する必要がありました。
さらに、保険の解約返戻金や退職金等についても、婚姻期間に対応する部分が財産分与の対象となる可能性があることを説明しました。
その後のご相談
初回相談後、Aさんは、当初は離婚したくないと考えていましたが、復縁は難しいのではないかとも考えるようになりました。
そこで、婚姻費用、面会交流、財産分与などについても整理したうえで、今後の離婚調停において、相手方の主張や提出資料を確認しながら、Aさんの認識と反論を整理して対応することになりました。
担当弁護士の所感
本件のように、配偶者が子どもを連れて別居し、調停の申立てがなされる場合があります。離婚調停、婚姻費用、面会交流は、それぞれ別の手続ですが、夫婦間の事実関係や提出される証拠は相互に関連します。
離婚を希望していない場合でも、別居中の婚姻費用、子どもとの面会、住宅や自動車のローンなど、早い段階で対応しなければならない問題があります。
裁判所から離婚調停に関する書類が届いた場合には、記載された期日や提出期限を確認し、相手方へ直接連絡する前に、早めに弁護士へ相談することをお勧めします。










