解決事例

事例28 遺留分侵害額請求訴訟において、長年疎遠だった兄弟間の紛争を和解により解決した事例

ご相談者様の状況・ご相談内容

男性の離婚ケース

  • 依頼者:Aさん (50代男性)
  • 職業:会社員
  • 相続の種類:遺留分侵害額請求
  • 相続人:兄弟3名

解決内容

被相続人の父の遺言に基づき、兄弟の1人が全ての遺産を相続したが、他の相続人の兄弟が遺留分侵害額請求訴訟を提起し、 不動産の評価や特別受益の有無などを巡って争いとなったが、最終的には依頼者側の請求が認められる内容の和解が成立しました。

本件では、相続開始後しばらく相続手続の詳細を知らされていなかった依頼者が、兄弟からの連絡を契機として遺留分侵害額請求訴訟を提起するに至りました。

訴訟では、不動産の評価方法、農地の評価、特別受益、使途不明金など多岐にわたる争点が問題となりましたが、 最終的には、時効成立の可能性も指摘される中で、遺留分割合に相当する水準の解決金を確保する内容で和解が成立しました。

相談内容

依頼者の父親が亡くなった後、兄弟の1人が相続財産を管理している状況でしたが、依頼者は十数年間、家族とほとんど連絡を取っておらず、葬儀にも出席していませんでした。

その後、遺産を管理していなかった兄弟から突然連絡があり、「遺言書が存在すること」「遺留分侵害額請求を行う予定であること」を知らされました。

依頼者自身は、被相続人の遺産内容や遺言書の具体的内容について全く把握しておらず、 「自分にも遺留分を請求できる可能性があるのであれば、きちんと調べたい」「相手方にも弁護士が付いているので、自分も代理人を立てたい」と考え、当事務所へ相談されました。

また、相続開始から一定期間が経過していたことから、依頼者は「今から請求しても遅いのではないか」という不安も抱えていました。

弁護士の対応

まず、遺留分侵害額請求権の時効が問題となる可能性があったため、相続開始時期や、依頼者が遺言内容や具体的な侵害事実をいつ認識したのかを丁寧に確認しました。

その結果、依頼者は被相続人の死亡自体は知っていたものの、遺言書の存在や具体的な財産状況、遺留分侵害の事実については認識しておらず、時効完成の可能性は高くないと判断しました。

もっとも、時効に関するリスクは依頼者へ十分説明したうえで、速やかに遺留分侵害額請求の手続に着手しました。

その後、他の相続人による別件訴訟との併合が行われ、訴訟では以下のような点が主な争点となりました。

  • 不動産の評価額
  • 農地をどのように評価するか
  • 被相続人から受けた援助が特別受益に当たるか
  • 使途不明金の有無

特に不動産評価については、相続税評価額を基準とすべきか、不動産鑑定を行うべきかについて当事者間で意見が大きく対立していました。

また、農地については、「市場での換価可能性が低く0円評価に近い」という主張と、「実際に賃料収入が発生している以上、一定の価値がある」 という主張が対立しており、裁判所からも収益還元法による評価の検討が示されました。

さらに、被相続人による学費の負担等が特別受益に該当するかについても争われました。

依頼者との打合せを重ねながら、判決となった場合の見通しやリスクを丁寧に説明し、早期かつ実効的な解決の可能性についても検討を進めました。

その結果、裁判所を介した和解協議が進み、最終的には、双方が一定の譲歩を行う形で和解が成立しました。

弁護士の所感・補足

本件は、長年疎遠となっていた家族間での相続紛争であり、感情的対立も非常に強い事案でした。

特に、依頼者は相続発生後しばらく財産状況を把握できておらず、「今さら請求できるのか」という不安を抱えていました。 しかし、遺留分侵害額請求では、「被相続人の死亡を知ったこと」だけで直ちに時効が完成するわけではなく、「遺留分侵害の事実を具体的に認識していたか」が重要になる場合があります。

また、本件では、不動産や農地の評価、特別受益など、相続事件特有の専門的争点が多数存在していました。 特に不動産評価については、評価方法によって結論が大きく変わるため、訴訟の見通しや和解戦略を慎重に検討する必要がありました。

最終的には、依頼者の経済的利益を確保しつつ、長期化による精神的・経済的負担を回避できる内容で和解が成立し、依頼者にもご納得いただくことができました。

本件のポイント

  • 長年疎遠だった家族間での遺留分侵害額請求訴訟
  • 相続開始後一定期間が経過していたため、時効が争点となる可能性があった事案
  • 不動産評価、農地評価、特別受益、使途不明金など争点が多数存在
  • 他の相続人による訴訟と併合して審理が進行
  • 時効成立の可能性が指摘される中でも、遺留分割合に相当する水準で解決
  • 判決ではなく和解による柔軟な解決を実現

相続では、遺言書の存在や不動産評価、特別受益など、専門的な問題が複雑に絡み合うことが少なくありません。

また、長年疎遠だった家族間では、感情的対立が大きくなり、当事者だけでの解決が難しいケースもあります。

当事務所では、依頼者のお気持ちを丁寧に伺いながら、法的見通しや解決方針を分かりやすくご説明し、適切な解決を目指しています。

相続や遺留分でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

ご相談の流れはこちら >
タグ: , , , , ,
   
↑ページトップへ
PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com