解決事例

事例30 経済的全損の認定を受けたものの、修理費用相当額の賠償が認められたケース

ご相談者様の状況

女性アバター

  • 依頼者:Aさん
  • 相談者:Bさん
  • 相手方の任意保険:C社

事案

Aさんは車で信号のない交差点を進行しようとしたところ、一時停止を無視して交差点へ進入してきたBさんの車と衝突してしまいました。

この事故で、Aさんの車には、60万円程度の修理費用がかかることが分かりましたが、Aさんの車は新車購入して10年ほど経っており、時価額が50万円程度と評価されたことから、相手方の任意保険C社からは、修理費用全額ではなく、車の時価額までしか賠償することができないと伝えられました。

C社の対応に疑問を抱いたAさんは、弊所へ相談にいらっしゃいました。

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解決内容

Aさんから交渉代理の依頼を受けた担当弁護士は、C社の提示したAさん車の時価額に、「買替諸費用」が含まれていないことを指摘し、「買替諸費用を考慮すれば、Aさんには修理費用相当額が賠償されるべきである」と主張しました。

交渉の結果、C社は当方の主張を認め、Aさんは修理費用全額の賠償を受けることが出来ました。

担当弁護士の所感

修理費用が、事故車両の時価額を上回るため、時価額の限度でしか賠償を受けられないケースを「経済的全損」といいます。ただし賠償の上限となる「時価額」は、法律上、「同一の車種・年式・型、同程度の使用状態・走行距離等の自動車を中古車市場において取得しうるに要する価額」であると考えられており(最判S49.4.15)、また車両の本体価格に加えて、買替のために必要な各種登録費用、ディーラー手数料等の「買替諸費用」も、時価額に付加して賠償を受けられると考えられています。

相手の任意保険から「経済的全損なので時価額までしか賠償できない」と言われた場合でも、「買替諸費用」を適切に考慮することで、修理費用相当額までの賠償が認められるケースがあります。

物損の賠償額が適正かどうかを判断するには、交通事故分野の法的知識が不可欠ですから、まずは専門家である弁護士へご相談ください。

解決期間

約4ヶ月

   
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