解決事例

裁判基準の10割の慰謝料で示談を成立させた事例

事案

依頼者は、横断歩道歩行中に右方から直進してきた自動車にはねられ、脳挫傷等の傷害を負いました。

入院を経て退院しましたが、眩暈や斜視の症状が残ってしまいました。
弊所で受任し、後遺障害申請と賠償額の交渉を行うことになりました。

結果

後遺障害8級を取得し、賠償額5000万円程で示談成立

交渉経過

(1)後遺障害申請
① 複視の症状
交通事故で強度の衝撃を受けたことにより、滑車神経麻痺に伴う複視(ものが二重にみえる状態)の症状が出ていました。

複視による後遺障害は、10級2号(正面視で複視の症状を残すもの)又は13級2号(正面視以外で複視の症状を残すもの)に該当する可能性があります。
複視による後遺障害が認定されるためには、

❶ 複視の自覚症状
❷ 眼筋の麻痺等複視を残す明らかな原因が認められること
❸ ヘススクリーンテストで5度以上のずれが確認できること
という要件を満たす必要があります。

事故後の本人の自覚症状と滑車神経麻痺の診断から、上記❶と❷の要件を満たすことは明らかでした。

問題は、ヘススクリーンテストという検査結果により5度以上のずれが確認できるか、そのずれが正面視でのものか否かという点でした。

検査の結果を確認すると、正面視における5度以上のずれが確認できたことから、10級2号の後遺障害が認定されるであろうと予想されました。

② 高次脳機能障害
また、事故後の診断で頭蓋骨骨折、外傷性クモ膜下出血等の診断がでていたことや、事故後の眩暈の症状がありました。またご家族の方からのお話では、事故前後でこだわりが変わったような若干の性格変化が生じているというような話があり、高次脳機能障害が疑われる状態でした。

そのため、高次脳機能障害の認定に必要な日常生活状況報告書等の書類を弊所で作成しました。

③ 後遺障害申請結果
複視の症状については、10級2号の後遺障害が認められ、高次脳機能障害については9級10号の後遺障害が認められ、併合で8級の後遺障害が認定されました。

(2)賠償額の交渉
当初、相手方保険会社は後遺障害慰謝料や傷害慰謝料については裁判基準の8割しか認めないという主張でした。

しかし、ご家族の方の看護記録や診断書等から、本人の受けた症状を詳しく説明し、交渉した結果、これらの両慰謝料について裁判基準の10割という金額で認められました。

所感

重大事故でつらい症状が出ている場合には、重度後遺障害が認められる可能性があります。

後遺症が残っている場合には、適正な賠償のために適正な後遺障害が認定される必要がありますが、受傷部位に応じて認定基準が定められていることから、適切な検査の実施と資料を揃える必要があります。

医師は医療のプロではありますが、後遺障害のプロではありません。したがって、検査時に後遺障害申請を意識した検査をしなければ、後遺障害申請との関係で適切な資料を準備できない可能性があります。

したがって、重度後遺障害が残る可能性がある場合には、専門家に相談された方がよいかと思います。

また、賠償額が高額になるケースが多いですが、弁護士が入らない段階の場合には、裁判基準よりもかなり低い金額を提示してくることが多くあります。
今回は、資料をもって十分に主張できたことで裁判基準に近い金額で交渉できたと思います。

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