解決事例

事例06 被相続人の生前を知るために相続放棄申述期間を延長した事例

ご相談者様の状況・ご相談内容

男性の相続ケース

  • 依頼者:Aさん
  • 相手方:Bさん
  • 被相続人:父親

相続関係図

AさんとBさんは腹違いの兄弟でした。
被相続人は、Aさんが幼いころに離婚して再婚し、再婚後のお子さんがBさんです。

Aさんは被相続人と別れてから長期間会っていませんでしたが、ある日、Bさんから手紙がきたことで被相続人が亡くなったことを知りました。
Bさんからの連絡は相続後の移転登記に協力してほしいということを内容とするものでした。

Aさんは、被相続人とは何十年も会っていなかったことから、Bさんからの連絡にどのように対応したらよいか分からず、ご来所されました。

解決までの流れ

1.Aさんの意向

Aさんは、被相続人と幼い頃に別れてから全く会っていませんでしたが、実の父親の生涯がどうだったのかとても気にされていました。
そのため、被相続人の財産は相続放棄をすることを前提としながらも、被相続人の生前のことをBさんから教えてもらうことも併行して行うこととしました。

2.経過

①被相続人の住所移転の履歴等から居住環境を調査

まずは、被相続人の住民票の移転、不動産登記簿などを取得して被相続人の来歴経過について調査いたしました。

②財産目録の開示要求

また、被相続人の状況を調べるべく、Bさんに対して被相続人の財産目録の開示を要求しました。

③被相続人の生前の写真、お墓の場所の情報の入手

また、Bさんに連絡をとり、被相続人の生前の写真や、お亡くなりになられた後のお墓の場所等の情報を聞き、写真等の開示をしてもらいました。

④相続放棄手続き

以上の①から③を進めるにあたって時間が必要であったため、まずは、相続放棄申述期間の伸長手続きをしました。
そして、期間を伸長した上で上記①から③を進め、被相続人の生前の状況が分かったところで相続放棄申述手続きをしました。

所感(解説)

今回は、Aさんは最初から相続放棄手続きをする予定でいましたが、幼いころに分かれた被相続人のことを少しでも知りたいという意向もあったことから、すぐに相続放棄はせずに、被相続人の生前の状況についてできる限りの調査をしました。

相続放棄をするにしても、具体的な事情を知らないで行うと、後になって後悔することもでてくると思われます。

今回は、相続放棄申述期間を延長した上で、可能な限りの調査もできたことで、後悔のない相続放棄ができたのではないかと思います。

   
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