ご相談者様の状況
- Aさん(依頼者)
- 職業: 会社員
事案
相談者は、建設工事中に発生した事故に巻き込まれ、労災に認定されましたが、本件事故の過失が誰にあったのかがわからないため、会社に対して慰謝料請求をしてもよいのか分からないというお悩みを抱えていました。
弁護士の対応
受任後、まずは事故原因の調査を開始しました。故現場を直接視察し、依頼者からどのような工事が行われ、そのうちのどの過程で事故が発生したのかを詳細に検討しました。また、労災事故の多くは、労働基準監督署が事故原因等を調査しています。そこで、労働局に対し、本件事故に関する資料の開示請求を行いました。黒塗り部分が多かったものの、事故当日の工程表を元に、おおよその事故原因が明らかになりました。
調査の結果、かなり大きな事故であったこともあり、会社が労働安全衛生法違反で起訴されていたことも判明しました。刑事記録の開示、検討を進めた結果、本件事故の原因が明確となり、依頼者に落ち度がないことがわかりました。
調査結果を元に、会社に対して、慰謝料請求をしたところ、依頼者には過失がないことを前提とした和解を成立させることができました。
解決内容
労働者には過失がなかったことを前提として、和解が成立した。
担当弁護士の所感
労働災害では、事故の発生原因や、当該事故の発生について、誰に過失があったのかが問題となることがあります。これらを明らかにするためには、かなりの資料を取り寄せ、調査する必要があります。
会社に対し、損害を請求するまでの検討に長期の時間を要するのが労災事故の特徴だと思います。
本件のポイント
・事故の発生状況を依頼者から詳細に聞くことができた。
・情報公開請求によって、本件事故の資料を集めることができた。