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事例16 熟年離婚時の未払婚姻費用を大幅に減額できた事例

ご相談者様の状況・ご相談内容

男性の離婚ケース

  • 相談者:Aさん(男性・50代)
  • 相手方:Bさん(妻・50代)

1. 事案

AさんとBさんは5年以上前から別居状態が続いていました。
Aさんは何度かBさんに対して離婚の申し出をしましたが、Bさんからは明確な返答がなく離婚を続けることができませんでした。

2. 争点

(1)財産分与
家計はBさんが管理していました。Aさんが既に受領した退職金や保険金等はBさんが持ち去っている可能性がありました。

(2)婚姻費用
別居後、AさんからBさんへお金は一切渡していなかったことから、未払婚姻費用が多額に上る可能性がありました。特に、Aさんは役員となっており年収が高かったため、婚姻費用額が多額になる計算でした。

3. 解決までの流れ

(1)財産調査
Aさんの預貯金、保険契約の過去の履歴を取得し調査しました。
AさんはBさんへ婚姻費用を渡していませんでしたが、Aさんの通帳を管理していたBさんが退職金等を持ち出して生活費に使用している可能性がありました。

(2)離婚調停
離婚調停では、未払婚姻費用が一番の争点となりました。
最終的には、当方の想定の半分以上の金額で話がまとまりました。

4. 所感等

いわゆる熟年離婚の場合、婚姻中に形成した財産が多額になっているケースが多いため財産分与等の金銭面で紛争が長期化するケースが多いです。今回は、Aさんの年収が多額であったことから、婚姻費用額も多額になる見込みであり、未払い分まで含めると多額な出費を強いられる可能性がありました。

離婚するまでの婚姻費用額を考えるとなるべく早期に離婚することが望ましく、早期解決に向けて調停を進めました。
最終的には未払婚姻費用及び財産分与について当方の想定よりも大幅に下げた内容で合意できたこと、また、調停期日も1回で終了したことから、婚姻費用の支出も最小限に抑えることができました。

   
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