相談事例

事例4 双方の車両が走行中、赤信号を無視した相手方車両と衝突し、過失割合が0:10となったケース

ご相談者様の状況

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  • 相談者:30代女性
  • 事故態様:信号交差点での側面衝突
  • 主な相談:過失割合・治療・示談

相談内容

Aさんは、勤務先からの帰宅途中に自動車を運転していました。信号のある交差点を青信号に従って直進したところ、交差点へ進入してきた相手方車両が、Aさんの車両の右前方に衝突しました。

事故直後は、Aさんと相手方の双方が、自分の側の信号が青だったと主張していました。しかし、双方の車両にドライブレコーダーが搭載されており、警察官の立会いのもとで映像を確認した結果、相手方が赤信号を無視して交差点へ進入していたことが確認されました。相手方保険会社からも、過失割合はAさん0、相手方10との説明がありました。

衝突の衝撃は大きく、Aさんの車両は前輪付近を大きく損傷して走行不能となり、全損として扱われました。Aさんは事故後に救急搬送され、首、肩、腰などの痛みや腕の擦り傷があり、整形外科と接骨院へ週3~4回程度通院していました。立ち仕事のため、勤務中に腰などの痛みが強くなることもあり、通院のために半日休暇を取得したこともありました。

Aさんは、交通事故に遭うのが初めてで、今後の治療や示談の流れ、慰謝料、休業損害、症状が残った場合の手続について分からず、不安を感じて弁護士へ相談されました。

※本記事に記載している「相談時にお伝えした内容」は、ご相談時に確認できた事情や資料を前提とするものであり、当事務所が本記事をご覧の方の個別の事案について法的な見解を示すものではありません。事情によって判断や結論が異なる場合がありますので、具体的な事案については弁護士へご相談ください。

相談時にお伝えした内容

1 双方の車両が動いていても、過失割合が0:10となる場合があること

交通事故では、双方の車両が動いていたという事情だけで、双方に過失が認められるわけではありません。本件では、信号のある交差点で、Aさんが青信号に従って直進し、相手方が赤信号を無視して進入してきたことがドライブレコーダーにより確認されていました。そのため、相談時に確認できた事故状況を前提とすれば、Aさん0、相手方10の過失割合となることを説明しました。

信号の色について当事者の言い分が食い違う場合には、ドライブレコーダーの映像、事故現場の状況、車両の損傷箇所、警察が作成する資料などの客観的な証拠が重要になります。映像や事故車両の写真などは消去せず、保管しておくようお伝えしました。

2 治療中は、症状と通院状況を具体的に記録すること

交通事故によるけがについては、症状が続いている間、医師と相談しながら必要な治療を受けることが大切です。本件では、首、肩、腰の痛みや腕の傷があり、立ち仕事によって痛みが強くなるとのことでした。そのため、診察時には、痛む部位や程度、仕事・家事など日常生活への影響を具体的に医師へ伝えるよう説明しました。

また、通院慰謝料は、傷病の内容、治療期間、実際の通院日数などを踏まえて検討されます。接骨院を利用する場合には、整形外科の医師にも相談し、整形外科への通院を続けながら治療経過を確認してもらうことをご案内しました。

3 通院のために仕事を休んだ場合は、休業の記録を残すこと

事故によるけがのために仕事を休んだり、遅刻・早退・半日休暇を取得したりして収入が減少した場合には、休業損害を請求できる可能性があります。Aさんは、事故後の受診のために半日休暇を取得し、今後も仕事を休んで通院する可能性がありました。

そのため、休業損害証明書には、欠勤だけでなく、通院のために取得した半日休暇なども正確に記載してもらい、通院日と休業日が分かるよう記録を残すようお伝えしました。

4 治療費の一括対応が終了した場合の選択肢を確認すること

相手方保険会社が医療機関へ治療費を直接支払う取扱いは、一般に一括対応と呼ばれます。一定期間が経過すると、相手方保険会社から治療費の対応を終了するとの連絡を受けることがあります。

保険会社による一括対応が終了しても、直ちに治療そのものを受けられなくなるわけではありません。症状や医師の判断を確認し、健康保険の利用や自費での支払い、後日の請求など、以後の治療方法を検討することになると説明しました。

5 症状が残った場合には、後遺障害申請を検討すること

治療を続けても症状が残り、医師から症状固定と判断された場合には、後遺障害等級認定の申請を検討することがあります。ただし、痛みが残っているだけで必ず認定されるわけではなく、事故態様、治療経過、検査所見、症状の一貫性などを踏まえて判断されます。

本件は相談時点で事故から間もなく、治療中であったため、まずは治療経過を見ながら、症状が残った場合に申請の要否を検討する方針をお伝えしました。

ご相談後の対応

Aさんは、今後の治療経過や保険会社とのやり取りを含め、弁護士へ対応を依頼することを希望されました。

担当弁護士の所感

双方の車両が動いている交通事故であっても、事故状況によっては、一方の過失が0となる場合があります。特に信号の色について争いがある事故では、ドライブレコーダーの映像などの客観的な証拠が、過失割合を判断するうえで重要です。

また、強い衝撃を受けた事故では、車両の損傷だけでなく、首や腰などの症状が長引くことがあります。治療中は、症状や通院状況、仕事を休んだ日、日常生活への影響などを記録し、医師へ具体的に伝えておくことが、その後の損害を整理するうえでも大切です。

過失がない事故では、自身の保険会社による示談交渉を利用できないことがあります。保険会社から提示された内容に不安がある場合や、治療・休業損害・後遺障害などをどのように進めればよいか分からない場合には、示談に応じる前に弁護士へ相談することをお勧めします。

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