岡崎事務所ブログ

弊所岡崎事務所における、公正証書遺言作成の流れ

弊所岡崎事務所における、公正証書遺言作成の流れ

第1.公正証書遺言と公証役場について

公正証書遺言を作成する場合、公証役場に頼むことが必要不可欠です。西三河に住む方が利用を検討するのは、岡崎公証人合同役場、豊田公証役場、そして西尾公証役場の3つではないでしょうか。そのうち、岡崎公証人合同役場は弊所岡崎事務所から徒歩3分ほどで行ける場所にあり、弊所岡崎事務所において公正証書遺言の作成を依頼される方は、この岡崎公証人合同役場を利用するのが原則になります。

第2.弊所における依頼から公正証書遺言作成まで

1.所内における遺言書案の作成

  1. 遺言書に書きたいことを弁護士と話し合う

    弊所において、公正証書遺言の作成を依頼していただいたら、まず、打合せにおいて、どのようなことを遺言書に書きたいかをお聞きします。どのような財産を誰に遺したいのか、お墓や仏壇は誰に守っていってほしいのか、財産を相続させたくない人はいるか、遺す人に伝えたい気持ちはあるか等、法律的な文言を離れて、依頼者様の言葉で伝えていただきます。遺言書の内容が遺留分を侵害するような内容になっている場合は弁護士が指摘し、それでもいいのか、それとも、その点を踏まえて内容を変えるかを検討していただきます。

    また、打合せの際に、不動産登記や、預貯金の口座の情報がわかる資料(通帳の表紙、表紙裏)等、遺言書に書きたい財産の資料を拝見し、コピーをとります。不動産登記は弊所において取得することも可能です。

  2. 弁護士が法的に有効な文章に変換する

    打合せを経て、弁護士は、依頼者様の言葉を、法的に有効な文章に変換し、公正証書遺言の案文を作成します。中には、法的な意味を持たない内容もありますが、付言事項として、思いを遺せるように遺言書の案文に入れます。

  3. 司法書士が登記の移転に用いることができる文章に修正する

    せっかく遺言書ができても、その遺言書をもとに、依頼者様(被相続人)から相続人や受遺者に対して不動産登記を移転することができない、ということが起こり得ます。そのような事態を避けるため、弊所においては、弁護士が作成した遺言書の案文を、司法書士が確認します。また、司法書士から、このような記載はなくていいのか等、内容についてのアドバイスを受けることもあります。これにより、遺言書の第一案は完成です。

  4. 第一案を依頼者にご確認いただく

    依頼者様に、第一案をご確認いただき、内容に問題がないかを見ていただきます。法的な文章になってしまっているので、意味や意図がよくわからないところがあれば、ご質問いただき、回答します。依頼者様の確認・承諾をいただけたら、弊所内における遺言書案は完成です。

2.公証役場とのやりとり

  1. 予約を取る

    公正証書遺言を作成する場合は、公証役場で予約を取ることが必要不可欠です。日本公証人連合会のホームページに、公証役場の電話番号が掲載されているため、その電話番号に電話をかけて、予約の取ることができる日時を複数教えてもらいます。その日時を依頼者様に伝え、依頼者様が対応できる日時を複数教えてもらい、公証役場に伝えます。公証役場はすぐに予約が埋まってしまうため、そのときにはすでに依頼者様が対応できる日時は対応不可、ということもあり得ます。そうなると、さらに先の空いている日時を教えてもらい、また依頼者様に対応できる日時を確認します。そのようにして、何度か電話をかけ、予約を取ります。

  2. 遺言書の案文を共有し、必要資料を送る

    日本公証人連合会のホームページには、公証役場のメールアドレスも載っています。そのアドレスに宛てて、弊所において作成した遺言書の案文、公証役場が提供を求める資料(不動産登記等)のデータを送付します。何を送るべきかは、予め、電話で公証役場の担当者様に教えてもらえます。案文を見て、公証役場から内容の加筆訂正のアドバイスをもらえることもあります。

  3. 公証役場から、公正証書の形にした遺言書の案文と、費用の計算書が送られる

    公証役場から、メールで、公正証書の書式にそろえた遺言書の案文と、費用の計算書が送られます。この案文と計算書を依頼者様に送付し、承諾が取れたら、その旨を公証役場にお伝えします。ここまでで、事前準備は完成です。

3.公証役場において、公正証書遺言作成

当日、費用とご印鑑を依頼者様にご持参いただき、弊所にて証人2名となるスタッフと集合し、公証役場に向かいます(そしてすぐに到着します)。公証役場で待ち合わせをしても構いません。公証役場においては、公証人が遺言書を読み上げ内容を確認し、依頼者様(遺言者)、証人2名が署名押印をすれば、公正証書遺言の完成です。

作成した公正証書遺言のうち、原本は公証役場で、遺言者(依頼者様)が170歳となる年まで保管されます。正本(原本の写し)はその場で遺言者(依頼者様)に渡されます。その際、封をしないように保管してください、と注意をされます。

第3.終わりに

公正証書遺言の作成には、1か月から2か月ほど時間がかかりますが、一度作成しておくと、とても心強いものになります。弊所であれば、弁護士以外の専門家も案文を確認しますので、その点でもよりご安心いただけると思います。

   
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