法律手続の電子化と弁護士のIT対応

法律手続の電子化と弁護士のIT対応

弁護士 秋吉 一秀

1 はじめに

近年、裁判手続をはじめとする法律手続の電子化が急速に進んでいます。

特に大きな変化として、2026年5月21日から、訴訟の提起については弁護士等の訴訟代理人は、原則としてオンラインで訴状を裁判所へ提出することが義務化されます(改正民事訴訟法132条の11第1項各号に定める者)

これまでは、裁判所へ紙ベースで訴状や書面を提出する方法が一般的でした。しかし、今後は裁判所のオンラインシステムを利用して提出することが基本となり、弁護士にとっても電子手続への対応が不可欠となります。

2 手数料の納付や証人尋問手続の電子化

今までは、裁判所に対し、収入印紙や郵便切手を用いて裁判の手続き費用を納付してきましたが、今後は、電子納付が可能となります。また、証人尋問についても、一定の要件はありますが、web会議の方法により、法廷に所在しない証人等の証人尋問をすることが法律上可能になりました(改正民事訴訟法204条、民事訴訟規則123条1項)。

3 破産手続でも電子化が検討

民事訴訟のみならず、現在、破産手続についても電子化が検討されています。

破産手続きでは、現状、裁判所へ破産を申し立てる際、紙ベースで申立書や申立人の家計資料、債権者の債権額を確定する資料等、かなりの分量の書面を提出する必要があります。また、各裁判所によって、必要な資料や書式が異なるため、手続きが複雑でした。

現時点では正式に決定された制度ではありませんが、今後は、全国で書式を統一したうえで、裁判所へオンラインで申立書類一式を提出するといった制度になる可能性があります。もし実現すれば、破産申立手続の実務も大きく変わることになるでしょう。

さらに、将来的には債権者集会をオンラインで参加できるようにする制度も検討される可能性があります。これが実現すれば、遠方の債権者でも参加しやすくなり、手続の利便性が高まることが期待されます。

4 弁護士にもIT対応が求められる時代

このように法律手続が電子化されていく中で、弁護士にとっても

  • パソコンや電子システムの操作
  • オンラインでの書面提出
  • データ管理やセキュリティ対応

といったITスキルが非常に重要になってきています。

5 当事務所の取り組み

当事務所では、こうした電子化の流れに対応するため、さまざまな取り組みを行っています。まず、丸の内オフィスにはIT専属チームがおり、事務所のIT環境の整備やサポートを行っています。また、事務所のホームページも外部任せにするのではなく、内部で作成・運用しています。さらに、弁護士のITスキル向上のための所内研修も行い、日々知識と技術の向上に努めています。

6 おわりに

法律手続の電子化は今後ますます進んでいくと考えられます。

当事務所では、こうした変化にも柔軟に対応し、依頼者の皆さまにとってよりスムーズで質の高い法律サービスを提供できるよう、今後も努力を続けてまいります。

   
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