弁護士法人名古屋総合法律事務所 岡崎事務所所属の弁護士 大野です。
前回に引き続き、名古屋家庭裁判所岡崎支部(以下本稿では「岡崎支部」と呼びます)で実施される離婚調停のあれこれについて、弁護士の目線からお伝えしたいと思います。
(全5回を予定しています。第1回はこちら)
3. 調停当日の流れ
(1)裁判所からの呼び出し
あなたが無事、調停申立の手続きを済ませたのであれば、所定の手続きを経て、調停期日が決まります。その後、裁判所からあなたのもとへ調停期日呼出状が届き、指定された日時に、岡崎支部へ行くことになります。
なお調停期日が決まる時点で、あなたに代理人弁護士が就いている場合、裁判所からの連絡は代理人事務所宛にされるようになるため、あなたの自宅に、別途、裁判所からの連絡文書が届くことはないと思われます。
(2)家庭裁判所書記官室での受付
前回も書いた通り、調停に出席した当事者は、まず岡崎支部2階にある家庭裁判所書記官室へ行き、出頭の受付をします。
その後、受付担当の職員さんから、1階または2階にある申立人(相手方)の待合室で待機するよう案内されることになります。
※待合室が1階と2階にそれぞれある理由は、第3回でご説明します。
(3)待合室での待機
待合室で待っていると、担当の調停委員さんが待合室まで迎えに来られ、調停室へ案内されます。
調停委員とは、調停において当事者の仲裁を担当する、裁判所の非常勤職員です。調停委員は裁判官ではありませんが、大学教授や弁護士等、社会経験のある一定の有識者の中から選ばれ、裁判官とも協力しながら、調停の手続きを行います。
http://www.courts.go.jp/saiban/zinbutu/tyoteiin/(裁判所リンク)
調停当日は、最初の受付以外に、相手が調停室で調停委員と話し合っている最中も、こちらは待合室で待機することになります。
そうすると、相手の話が長引いたとき等、かなりの長時間を待合室で過ごさなければいけないこともあります。
代理人弁護士とともに調停へ出席している方は、待合室の中で、調停の進行について弁護士と相談し合うことが多いと思いますが、本人のみで出席される場合、時間をつぶす方法を何か準備しておいた方がよいかもしれません。
岡崎支部の調停待合室には、少量の雑誌等が配架されていますが、読まれている方は普段あまりお見受けしないように思います。
なお待合室内でのスマートフォン操作は特に禁止されていないものの、(一般マナーとして)室内での通話は控えた方がよいでしょう。
(4)調停委員との面談
調停室では、男女の調停委員2人との面談が行われます(あなたに代理人弁護士がいる場合は、弁護士も同席します)。離婚調停は基本的に、当事者が交互に調停室へ入室して面接をする形で進行するため、あなたと相手配偶者が直接顔を合わせて話し合うことはありません。あくまで調停委員とのみ面談します。
面談では、調停委員から、夫婦関係に関するさまざまな事情を確認され、今後の解決へ向けて協議していくことになるでしょう。
あなたが調停委員にひととおりの事情を話した後は、あなたは一旦待合室へ戻り、交代する形で相手配偶者が調停室へ入ります。
離婚調停では、以上のような交互面接の方法で、当事者間の話合いを進めていくことになります。
次回は、調停期日間の準備などについてお伝えしたいと思います。
それではまた。