ご相談者様の状況
- 相談者:Aさん(被害者)
- 相手方:Bさん(加害者)
ご相談内容
Aさんが自車を運転して通勤していたところ、信号機のない交差点で、強引に進入してきた相手車が、自車の側面に接触しました。
相手車側には一時停止の標識があり、自車側が優先道路でした。また、自車にはドライブレコーダーを搭載しており、衝突時の状況が記録されていました。
相手方の保険会社から、「相談者20%、相手方80%」の過失割合を提示され、納得がいかないということでご来所されました。
解決内容
相手車側に一方的な非があると思われる事故でも、裁判になれば、単純な追突事故のパターンを除き、自車側に一定の過失が認定されてしまう場合が殆どです。
今回、自車に搭載されたドライブレコーダーの映像に基づき、衝突時の状況を検討しましたが、過去の裁判例を考慮すると、相談者に30%の過失が認定されるリスクが否定 できません。相手方保険会社の提示を受け入れた方が、Aさん側に有利な結果となる可能性があります。
解説
今回ご相談のケースでは、相手方に一方的な非があると思われる類型の事故で、相手方が 提示した過失割合に争いがある状況でした。
交通事故の被害者の立場からすると、加害者である相手方の保険会社から、自車側の過失 を主張されることは、とても納得がいく話ではないと思います。しかし、裁判所は、一方に非があるような類型の事故であっても単純な追突事故でなければ、被害者にも一定の過失があったと認定することが殆どです。そして、交通事件は膨大な裁判例の蓄積があるため、事故類型に応じて、裁判所が認定する過失割合について、おおよその見通しを立てることができます。
今回は残念ながら、ドライブレコーダーの映像がこちらに有利な証拠とはなりませんでした。一方、衝突時の状況を的確に把握することによって、裁判まで争った場合に、こちらに不利な認定がされるリスクを事前に把握することができました。 ドライブレコーダーの映像は、こちらに有利に働くかどうかはさておき、裁判での見通しを立てるための貴重な資料となります。交通事故の備えとして、保険を充実させることは重要ですが、ドライブレコーダーの搭載も検討してみてはいかがでしょうか。