相談事例

過失割合0:10の交通事故で、自分保険会社と交渉を行うことに負担を感じ、弁護士費用特約を利用して相談されたケース

ご相談者様の状況

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  • 依頼者:Aさん(40代女性・会社員)

事案

Aさんは、ある年の春、自動車で勤務先へ向かう途中に交通事故に遭いました

相手方保険会社から提示された過失割合は、Aさんに過失がない0:10でした。

事故当日、Aさんは右足に違和感があったため医療機関を受診しました。その後、首や肩の痛み、腕のしびれなども現れ、頸椎捻挫、股関節捻挫などと診断されました。MRI検査も受け、相談時には週2回程度のリハビリに通っていました。

車両の修理については、相手方保険会社との間で話を進めていましたが、左右のタイヤ交換費用の取扱いなどをめぐって交渉が必要になりました。最終的には相手方に負担してもらえることになったものの、Aさんは、自分で保険会社と交渉することの難しさや煩わしさを感じていました。

また、相手方から謝罪がなかったこともあり、精神的な負担も大きくなっていました。

今後は治療費、通院慰謝料、休業損害などの人身損害についても相手方保険会社との交渉が必要になるため、Aさんは、「過失割合が0:10でも、今後の交渉をすべて自分で行わなければならないのか」と不安を感じ、弁護士費用特約を利用して対応を任せたいと考え、事故から約1か月後に弊所へ相談にいらっしゃいました。


※本記事に掲載している「相談時にお伝えした内容」は、ご相談時に確認できた事情や資料を前提とするものであり、当事務所が本記事をご覧の方の個別の事案について法的な見解を示すものではありません。事情によって判断や結論が異なる場合がありますので、具体的な事案については弁護士へご相談ください。

相談時にお伝えした内容

1 過失割合が0:10の場合の示談交渉について

まず、相手方保険会社から提示されている過失割合が0:10であり、Aさんには事故について過失がないとされていることを確認しました。

被害者に過失がない事故では、被害者が加入している保険会社は、一般に、被害者の代わりに相手方との示談交渉を行うことができません。そのため、弁護士へ依頼しなければ、被害者自身が相手方保険会社と交渉することになります。

過失割合に争いがないとしても、交通事故の交渉が簡単になるとは限りません。車両の修理費、治療費、休業損害、通院慰謝料などについて、必要な資料を準備し、相手方保険会社からの質問や提示内容に一つずつ対応する必要があります。

Aさんは物損の交渉ですでに難しさを感じていたため、人身損害については弁護士に依頼し、窓口を弁護士に一本化する方法があることを説明しました。

2 治療中に注意することについて

Aさんは相談時にも首や肩の痛み、腕のしびれなどが残っており、週2回程度の通院を続けていました。

交通事故による治療では、実際の症状に応じて、医師の指示に従って必要な通院を続けることが大切です。症状があるにもかかわらず通院期間が空いたり、通院を中断したりすると、事故と症状との関係や、治療の必要性について争われる可能性があります。

Aさんには、痛みやしびれの部位、日常生活で困っている動作などを医師へ具体的に伝え、適切な治療を続けるよう説明しました。

また、相手方保険会社による治療費の対応は、一般に事故から一定期間が経過すると終了を打診されることがあります。治療費の対応終了を告げられた場合の選択肢についても、あらかじめ説明しました。

3 休業損害について

Aさんは事故当日に勤務先への到着が遅れたほか、通院によって仕事に影響が生じていました。

休業損害を請求するためには、勤務先に休業損害証明書を作成してもらうなど、事故や通院によって生じた収入の減少を明らかにする資料が必要です。

Aさんは短時間勤務の正社員であったため、勤務形態や遅刻・早退の状況が分かるように勤務先へ書類を作成してもらい、控えを保管しておくよう説明しました。

4 弁護士費用特約について

Aさんが加入している自動車保険には、弁護士費用特約が付いていました。

弁護士費用特約を利用できる場合、法律相談料や弁護士への依頼費用について、保険会社が定める限度額や支払基準の範囲内で保険金が支払われます。そのため、相談者自身の費用負担なく、または費用負担を抑えて、弁護士へ依頼できる場合が多くあります。

ただし、補償の対象となる事故や費用の範囲、支払限度額、保険会社への事前連絡・承認の要否などは、保険契約によって異なります。損害額や弁護士費用の額によっては、自己負担が生じる可能性もあります。

そのため、Aさんには、加入している保険会社へ弁護士費用特約を利用したい旨を連絡し、補償内容を確認してもらうよう案内しました。

担当弁護士の所感

Aさんは、相手方保険会社から過失割合0:10を提示されていました。過失割合に争いがないため、一見すると、ご自身でも問題なく対応できる事故のように感じられるかもしれません。

しかし、過失割合が0:10であることと、示談交渉に負担がないことは別の問題です。

被害者ご自身に過失がない場合、加入している保険会社に示談交渉を任せることができず、ご自身で相手方保険会社と連絡を取り、損害の内容や金額について交渉しなければならないことがあります。


本件でも、Aさんは物損の段階ですでに交渉の難しさを感じていました。事故による痛みを抱え、仕事や通院を続けながら保険会社へ対応することは、時間的にも精神的にも大きな負担になります。
相手方から謝罪がなく、被害者としての気持ちの整理がつかない中で交渉を続けなければならないことも、負担をさらに大きくする要因となります。

過失割合に争いがない事故では、争点が比較的整理しやすいため、早い段階で弁護士が状況を把握し、必要な資料をそろえることで、その後の対応を円滑に進めやすいという面もあります。

また、弁護士費用特約が利用できれば、費用面の負担を抑えながら、相手方保険会社との連絡や示談交渉を弁護士に任せられる場合が多くあります。


「こちらに過失がないから、弁護士へ相談するほどではない」と考える必要はありません。過失割合が0:10とされていても、保険会社との交渉に不安や負担を感じている場合には、弁護士費用特約の有無を確認した上で、早めに弁護士へご相談ください。

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