法人破産

法人破産とは

法人破産手続きとは、破産法1条によると

支払不能又は債務超過の状況にある法人について債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって当該法人の財産等の適正かつ公平な清算を図る手続

です。

債務が払えなくなった法人について、債務者と債権者のバランスを見ながら公平に清算し、法人を消しましょう」というのが法人破産の目的である、ということです。

法人破産の手続きをするためには、「その法人が支払不能または債務超過の状況にある」ということを裁判所に申し立て、認められる必要があります。

認められると、手続きが始まり、裁判所により管財人が選ばれます。
管財人は残っている会社の財産をお金に変えて、各債権者に配ります。
この手続が終了すると、会社は法人格を失います。

法人破産のメリット・デメリット

【メリット】

●経営者のメリット

メリット1:債権者からの取り立てが止まる

弁護士に法人破産手続きを依頼すると、各債権者に対して支払停止の通知を送ることになります。
通知後の窓口はすべて弁護士になるため、取り立てがやってくるということはなくなります。

メリット2:負債がなくなるため、資金繰りに追われなくなる

法人が破産すると、法人がなくなってしまうため、手続き終了と同時に税金の支払い・社会保険の支払い、損害賠償義務がなくなります(一部例外あり)。
資金繰りに追われなくなり、経営者自身の生活の再建がしやすくなります。

●債権者のメリット

メリット1:公平な清算が受けられる

破産管財人が会社の財産をすべてお金に換え、公平な立場で、債権額に応じて分配をするため、公平な清算が受けられます。

メリット2:貸倒処理ができる

破産に伴い、その債権額をその年の貸倒損失として計上できるようになります。

【デメリット】

●経営者のデメリット

デメリット1:会社がなくなる

破産すると、その法人は消滅します。

デメリット2:従業員を解雇しないといけない

法人がなくなるため、長年勤務した従業員であっても全員解雇しなければなりません。

デメリット3:会社の再建は難しい

中小企業においては、経営者が会社の債務保証をしている場合が多く見受けられます。
経営者個人として保証した債務を弁済できないときは、会社と一緒に経営者も破産手続きをしなければなりません。
破産をするとその後金融機関からの借金は難しくなるため、再度事業を興そうとすることも難しくなります。

●債権者のデメリット

デメリット1:債権額は回収できないので経済的損失が発生

経済的な損失が発生しますが、一方で破産手続きをしないと損金として処理することもできません。

法人破産の流れ

以上7つのステップを踏み、破産手続きを進めていきます。

法人破産の解決事例

建設業(従業員約5名) 先代社長のワンマン経営が要因となった事例

ご相談者様の状況・ご相談内容

男性

業種 建設業
年商 約8000万円
従業員数 約5名
負債状況 負債総額約5000万円  債権者数 約20名

会社の株をすべて持っていた前代表者が、個人のお金と会社の資金を混同したまま経営をしていたことが要因で、会社の負債が増加していまいました。

前代表者が引退し経営は順調になりましたが、会社の負債の連帯保証人だった前代表者が破産をしてしまい、金融機関から負債を返済するよう請求が届きました。

【解決のご提案】

金融機関からは一括で返済するか、新しく保証人を立てるかの選択を迫られました。
2つの選択肢を検討し、会社を清算することになりました。
結果的に法人破産をすることになりましたが、素早い決断をすることにより誰も保証人にならずに済みました。

   
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