借金でお困りの方へ

借金でお困りの方へ

多数の債権者から借り入れをしており、毎月の返済に困っている場合にはどのように対処すればいいでしょうか。

弊所には、借金が膨らんで返済の目処が立たず困っていらっしゃる方が多くご来所されます

借金は返済するのが原則ではありますが、多額の借金により毎日の生活に窮しているという状況にある場合には、借金の問題はなるべく早く解決する方が、現状及び将来の生活の安定のために重要であるといえます。

今回は、借金の問題を抱えた場合にどのような対処ができるのかを簡単にご紹介したいと思います。

1. 最後の返済から5年以上が経過している場合

⑴ 時効援用が考えられる
最後の返済から5年以上が経過しており、また、債権者からの催告に対しても支払うと約束していない場合、時効援用を主張できる可能性があります。時効援用ができた場合には、その債務は消滅し、もはや支払いをする必要はなくなります。
⑵ 債権者から督促状が届いた場合
ご相談者様の中には、債権者から督促状が来た段階でご来所される方も多くいます。
債権者から督促状が届いたとしても、最後の返済から5年以上経過していれば、時効中断事由がない限りは時効援用を主張できる可能性があります。
時効援用ができなかった場合には、後で述べる任意整理や自己破産、個人再生手続きを取ることが考えられます。

2. 既に完済している場合

⑴ 過払い金請求が考えられる
借入れの時期が7年以上前で継続的に取引していた場合、既払いの債務については過払金が発生している可能性があります。
過払金の額は、取引期間や取引の空白期間の有無等の事情により大きくことなりますが、弁護士が交渉ないし訴訟をすることによりより多くの過払金(多ければ過払金元本)を取り戻すことができる可能性があります。
⑵ 過払金による債務の圧縮
債務総額が数百万円あり自己破産を考えていた方でも、過払い金請求をすることで債務を圧縮し、任意整理で済むという場合があります。
したがって、債務総額が多額の場合でも、ひとまず過払い金調査を行う価値は十分あります。

3. 多額の借金がある場合

多額の借金があり毎月の返済に窮している場合には、任意整理、自己破産手続、個人再生手続を利用するが考えられます。

⑴ 過払い金請求が考えられる
任意整理は、債権者と遅延損害金のカットや分割払い等の交渉をするものです。
任意整理をする簡単な基準としては、債務総額を概ね3年(長くて5年)の分割払いができるかどうかにより判断します。
債務総額を3年の分割払いではおよそできないということであれば任意整理での解決は難しいと考えられます。
⑵ 自己破産をする場合
ア 自己破産を考える場合
任意整理での解決が難しい場合には、自己破産が考えられます。
自己破産は、債務者の総財産を換価して債権者に分配する破産手続きと、債務の免責を目的とする免責手続きからなります。
債務者の立場からすれば、債務の免責を受けることが目的であることから、免責の許可が下りるのかどうかが一番重要となります。
免責の許可が下りれば、一部の債務を除いて債務は免除されることから、生活の再建をすることに適していますといえます。
イ 自己破産に適しない場合
① 免責不許可事由に該当する場合
免責制度は、誠実な債務者を債務から免責することによって債務者の経済的更生を図ることを目的とします。
したがって、不誠実な行為により債務の増加に至ったという場合には、免責許可が下りない可能性があります。このような事由を免責不許可事由といいます。
ギャンブルに使うお金欲しさに借金をしていたという場合等が免責不許可事由の典型例といえます。
もっとも、事情によっては、ギャンブルに使用していたという場合でも免責が下りる可能性はあります。
② 住宅を手放したくない場合
自己破産は、債務者の総財産を換価する手続きであることから、自分名義の自宅を持っていた場合には自宅を手放さなければなりません。
自宅を手放したくないという場合には、個人再生手続きをとることが考えられます。
③ 資格制限がある場合
宅地建物取引主任者等の一定の職については、破産により免許を失うこととなります。
したがって、資格制限のある職についている場合には自己破産手続きの利用が望ましくない場合もあります。
⑶ 個人再生をする場合
ア 自己破産を考える場合
多額の借金があるが、自己破産を利用できない事情がある場合には、個人再生手続きの利用を検討する方が多いです。
個人再生であれば、自己破産と異なり、免責不許可事由はなく、住宅を残しつつ債務の整理ができ、破産による資格の剥奪も防ぐことができます。
住宅を手放したくないという方の場合、再生計画において住宅資金特別条項を定めることで、自宅を残しつつ、住宅ローン以外の債務の整理をすることができます。
債務の整理は、500万円までであれば100万円となり、これを原則3年間の分割払いで返済していきます。
イ 個人再生の要件
個人再生手続きを利用する場合、少なくとも、借金の総額が5,000万円以下であること、安定した収入が継続的に得られることの要件を満たす必要があります。
⑷ 法的手続きをとることのメリット
自己破産や個人再生等の法的手続きをとることは、最終的に債務額を減免できること以外にも、債権者からの取り立て・請求が止まるというメリットがあります。
債権者からの取り立て・請求が止まることで毎月の取り立ての不安から開放され、精神的な負担が大幅に軽減されます。
そして、精神的に安定した状態で将来的な生活の再建を考えることができるのです。

4. 最後に

これまで、簡単に借金の問題を抱えた場合に取れる対処法をご紹介しました。

任意整理も自己破産も個人再生も、結局は生活の再建を図るための手段にすぎません。

弊所では、債務整理後の生活の再建がきちんと図れるのかという観点から、ご相談者様自身に収支の状況を正確に把握していただき、返済計画や債務整理後の貯金の計画等も含めてご相談させていただいております。
借金の返済でお困りの方は、一度ご相談に来ていただければ幸いです。

   
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