第三回は、 持戻し免除の意思表示の推定(新民法903条4項)について、ご説明します。
平成30年の相続法改正では、 婚姻期間が20年以上の夫婦の一方が、他方に対し、居住用建物等を贈与あるいは遺贈したときは、持戻し免除の意思表示をしたと推定するという規定が新設されました。
持戻しとは、特別受益が認められる場合に、これを相続分の計算に算入することをいいます。
しかし、被相続人は、その意思表示により、特別受益分を遺産に戻すことを免除することができます。
これを「持戻し免除の意思表示」といいます。
婚姻期間が長期にわたる夫婦の一方が他方に対して行う居住用不動産の贈与又は遺贈は、通常、受遺者等のそれまでの貢献に報いるとともに、同人の以後の生活保障のためになされるものであるから、遺産分割における配偶者の相続分を算定するに当たり、その価額を控除してこれを減少させる意図は有していないというのが一般的です。
そこで、改正法では、一定の要件のもと、持戻し免除の意思表示の推定規定を設け、配偶者の生活保障を図ることとしました。
もっとも、この規定は、意思表示の推定規定であるため、被相続人が持戻し免除の意思表示をしていないことを他の相続人が立証した場合には、推定が覆ることになります。
また、この規定は、配偶者居住権が遺贈された場合にも準用されています(新民法1028条3項)。
令和元年7月1日
施行日(令和元年7月1日)より前にされた遺贈又は贈与については適用されません。
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